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ニックス・ムービー/水上の稲妻
Nicks Film/Lightning Over Water


制作年 1980 Scene1
邦題ニックス・ムービー/水上の稲妻
原題Nicks Film/Lightning Over Water
ジャンルドキュメンタリー
時間 91分
フイルム 35mm
カラー カラー
製作国 西独=スウェーデン=豪
製作会社ロード・ムーヴィーズ/ヴィム・ヴェンダース・プロダクション/
ヴァイキング・フィルム(ストックホルム)
製作ヴィム・ヴェンダース<Wim Wenders>/クリス・ジーヴァーニッヒ<Chris Sievernich>
監督ヴィム・ヴェンダース<Wim Wenders>
脚本ヴィム・ヴェンダース<Wim Wenders>/ニコラス・レイ<Nickolas Ray>
撮影マルティン・シェーファー<Martin Schäfer>/エド・ラッハマン<Ed Lachman>/トム・ファレル (Video)<Tom Farrell>
編集ペーター・ブルツィゴッダ<Peter Przygodda>
音楽ロニー・ブレイクリー<Ronee Blakley>
出演ニコラス・レイ<Nickolas Ray>/
ヴィム・ヴェンダース<Wim Wenders>/
トム・ファレル<Tom Farrell>/
スーザン・レイ<Susan Ray>


■ 内容

1979年、ヴェンダースがニューヨークのニコラス・レイを訪ねるところから始まる。ガンに侵されたニックの病状が予想以上に重いため、共同で映画を作ることを諦め、かわりに死期の近いニックの姿を追うドキュメンタリーを撮影することになる。セミ・ドキュメンタリータッチの映画。

■ 感想

これはノンフィクションなのか、フィクションなのか、ドキュメンタリーなのか。家庭用ビデオの画面と、普通の映画らしいアングルでの35ミリフィルムの画面とが交錯している。35ミリの部分は演出されたところ、現実のレベルは8ミリとルールを作っているのだが、区別がよくわからなくなってくる。演技指導したり、ミステイクもそのまま流しているし、かと思うと明らかに画面としては失敗しているが音声のためだけに残したかのような画像も入り込んでいる。
そういう混乱がまさにこの映画らしいところで、現実的に死を追っているさなか、フィクションがノンフィクションを浸食していく様をそのまま描き出している映画なのだろう。
「アメリカの友人」で海外からも一定の評価を得るようになり、コッポラに呼ばれてアメリカに向かったヴェンダース。映画「ハメット」脚本作成中からコッポラともめ、そのもめてる最中に撮られた映画。「ハメット」がものすごく「作り物」の世界なものだから、欲求不満が爆発したかのよう。
ニコラス・レイは「アメリカの友人」のギャング役がカッコよかった。しかし、もう当時から病魔に冒されていたのかもしれない。この映画では抗ガン剤で髪が抜け落ちて悲惨な姿だが、それは実は家庭用ビデオだけで、映画の画面になると、とたんにしぶい。パジャマやシャツなどに必ず「赤」が入る。今回の撮影はロビン・ミュラーじゃないのに、まるでミュラーの「赤」のようだ。
撮影することで死期を早めているのではないか?と悩むヴェンダース。だが、やり遂げたいという思いも強く持っているため、ものすごく悩んだ感じがずっとしていたのが、最後の船の場面で爆発したかのような開放感がある。これは死者に対する良心の呵責から来る開き直りなどではなく、厳しい状況の中、レイもヴェンダースもスタッフたちも、彼の死を見つめ通すことが出来た達成感なのだろうか。
余談だが、ヴェンダースと1978年に結婚し、1981年に離婚したロニー・ブレイクリーが主題歌を歌い、出演している。


劇場未公開
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