当時、すでに音楽ファンの間ではそれなりには知られていた存在だったライ・クーダーを一気にメジャーにした感があるアルバム。ライ・クーダー自身としても、代表的な作品と言えるだろう。暗い何とも言えないムードのあるスライドギターが続くが、やわらかなメキシコ風のギターも入り、ほっとさせられる。 「カンシオン・ミクステカ」というトラディショナル・ソングはライ・クーダーが「夜の闇」というアルバムでとりあげたものをアレンジし直したもので、サントラで歌っているのはハリー・ディーン・スタントンだ。この曲はのぞき部屋のナスターシャとのシーンでしみじみとさせるのにうってつけ。 ラスト、「ダーク・ワズ・ザ・ナイト」はブラインド・ウィリー・ジョンソンの曲。以前にライ・クーダーがこれを弾いているのを聞いて、このアルバムの曲が作られていくことになった。この曲をバックにハリー・ディーンスタントンは去っていく。そして「ソウル・オブ・マン」でブラインド・ウィリー・ジョンソンが取り上げられるに至るのだ。
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