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愛のめぐりあい
Al di là delle nuvole / Par dela les nuages / Beyond the clouds


制作年 1995 Scene1
邦題 愛のめぐりあい
原題 Al di là delle nuvole / Par dela les nuages / Beyond the clouds
ジャンルドラマ
時間 110分
フイルム 35mm
カラー カラー
製作国仏=伊=独
製作会社サンシャイン/シネ・ビー/フランス3シネマ/セッチ・ゴリ・グループ・タイガー・シネマトグラフィカ/ロード・ムーヴィーズ・ツヴァイテ・プロダクション
原作ミケランジェロ・アントニオーニ「愛のめぐりあい」
製作フィリップ・カルカソンヌ<Philippe Carcassonne>/ステファーヌ・チャルガディエフ<Stephane Tchal Gadjeff>
監督ミケランジェロ・アントニオーニ<Michelangelo Antonioni>/ヴィム・ヴェンダース<Wim Wenders>
脚本ミケランジェロ・アントニオーニ<Michelangelo Antonioni>/ヴィム・ヴェンダース<Wim Wenders>/トニーノ・グエッラ<Tonino Guerra>
撮影アルフィオ・コンチーニ<Alfio Contini>/ロビー・ミューラー<Robby Müller>
編集クラウディオ・ディ・マウロ<Claudio di Mauro>/ペーター・ブルツィゴッダ<Peter Przygodda>/ルシアン・セグラ<Lucian Segura>
音楽ルチオ・ダルラ<Lucio Dalla>/ローラン・プティガン<Laurent Petitgang>
出演イネス・サストーレ<Ines Sastre>(カルメン)/
キム・ロッシ=スチュアート<Kim Rossi-Stuart>(シルヴァーノ)/
ジョン・マルコヴィッチ<John Malkovich>(映画監督)/
ソフィー・マルソー<Sophie Marceau>(若い女)/
ファニー・アルダン<Fanny Ardant>(パトリツィア)/
キアラ・カゼッリ<Chiara Caselli>(オルガ)/
ピーター・ウェラー<Peter Weller>(ロベルト)/
ジャン・レノ<Jean Reno>(カルロ)/
イレーヌ・ジャコブ<Irene Jacob>(若い女)/
ヴァンサン・ペレーズ<Vincent Perez>(ニッコロ)/
マルチェロ・マストロヤンニ<Marcello Mastroianni>(画家)/
ジャンヌ・モロー<Jeanne Moreau>(画家の友人)


Scene2
■ 内容

雲の中を飛行機で旅する映画監督の私が映る。霧の立ちこめるフェラーラの街へ到着する。

第1話フェラーラ、ありえない恋の話:肉体が結ばれることなしに何年も思い続けた男女の恋。
第2話ポルトフィーノ、女と犯罪:海岸の街。父親を12回殺して殺害したが無罪になったという若い女と映画監督の一夜の恋
第3話パリ、私を探さないで:若い女との突然の恋に落ちて別れられない男、夫を見限ったその妻とその妻に家でされたもう一人の男の物語。
第4話エクス・アン・プロヴィンス、死んだ瞬間:一目惚れした若い女を追いかける若い男が「明日修道院に入る」と告げられるというお話。

■ 感想

ミケランジェロ・アントニオーニ自身の小説から映画化した、4部構成のオムニバス作品。そのうちの枠となる前後の物語とつなぎの物語をヴェンダースが撮影している。どういう事情でこのイタリアの巨匠とドイツの現代映画作家が一緒になったのか、詳しいことは知らないのだが、12年間もあたためていた企画がようやく撮影にこぎつけたところで、ミケランジェロが脳卒中により倒れ、言語を失ってしまったからだ。ミケランジェロの方から助けを求め、撮影開始にあたり製作者側がつけた条件がヴェンダースが枠物語を撮影し、共作とすることだった。

Scene2ある映画監督が一本の映画の製作を終え、イタリアへ飛行機でやって来る。次の作品の舞台を探すためだ。まず最初にやって来たのが北イタリアの小さな村、フェラーラ。そこで伝えられる「ありえない恋の話」は純粋すぎる愛について語る。次に監督は南のポルトフィーノへ赴き、そこで自らの父親を殺したという女性と一夜を過ごす「女と犯罪」。一転、パリへ飛んで現代的なアパルトマンを舞台にした「私を探さないで」。夫の3年来の浮気に苦しみ家出する人妻が広告が出ていた貸しアパートの一室を訪ねると、そこには妻に去られた男が家に帰って来たところだった、というお話。最後の「死んだ瞬間」はキリスト教の色合い強い作品。
一番力があるというかパワーを感じたのがポルトフィーノで撮影された「女と犯罪」。急勾配の崖が多く見られる入り江の街の、小径の描き方が印象的。「死んだ瞬間」での男女二人が話しながら歩くシーンも記憶に残る。
ただ、この2話と3話はソフィー・マルソーやキアラ・カゼッリのヘア・ヌードが話題として先行したらしい。記憶にないのでよくわからないが、DVDにも「無修正版」というシールが貼られていた。
ジャン・レノが出ている第3話はアパートが特徴的。ガラスで全面的に覆われているのだ。

でも、やはりこれはアントニオーニの作品であって、ヴェンダースの色はほとんど入ってない。共同監督といってもヴェンダースは実際何をやったのかというと、この4話のオープニングと間に入る挿話を担当した。マルコビッチが導入部分の映画監督の役をやり、マルチェロ・マストロヤンニの画家が挿話されている。本来はマストロヤンニがが漁師やビジネスマンを演じた挿話があったそうだ。これをすべてアントニオーニはカットした。
「愛のめぐりあい」撮影日誌という本が出ているので読んでみたが、物静かだがわがままな巨匠アントニオーニに、これも頑固一徹な映画監督であるヴェンダースがすさまじく我慢している姿が痛々しい。映画監督などというのは強烈なエゴの固まりに決まっている。そうでなければあれだけの多くのスタッフを従えて映画なぞ作れまい。それなのに己を殺して映画を作ったというところで、ヴェンダースを高く評価していいのかもしれない。と同時に、マストロヤンニが出ているようなシーンであってもあっさりカットしたアントニオーニを評価したい。ヴェンダースもある意味、見習って欲しいという気がした。


1996年8月 フランス映画社配給
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